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HTMLに書かれていないリンクは、AI検索のクローラーに拾われにくい——41日間の観測記録ほか【2026年8月24日】

江 江守義樹
公開 2026.08.24 約7分で読めます

目次

  1. 01①41日・1,062ページ——JavaScript注入リンクへの到達率を測ってみたら
  2. 02②地球儀アイコンに置き換わっていたファビコン、週末を挟んで解消
  3. 03③実務メモ:AIコーディング環境でE-E-A-Tの監査ツールを組んだ手順
  4. 04④数字で見るAIの推薦——「区別できる商機は思ったほど多くなかった」という仮説
  5. 05⑤Microsoft広告:10月1日以降の新規キャンペーンでMax CPCが設定不可に

seo-times.news をご覧いただきありがとうございます。週明けの本日は、大型の発表こそ落ち着いているものの、手を動かす人にとって参考になる検証が並びました。取り上げるのは、AIクローラーがJavaScript製リンクをどこまで追えるかを41日間測った実験、検索結果のファビコン不具合とその収束、AIコーディング環境でE-E-A-T監査ツールを組んだ事例、AIによるブランド推薦の一致度を示したデータ、そしてMicrosoft広告の入札仕様変更の5件です。

①41日・1,062ページ——JavaScript注入リンクへの到達率を測ってみたら

①41日・1,062ページ——JavaScript注入リンクへの到達率を測ってみたら

Vinicius Stanula氏による検証を、Search Engine Landが8月19日に紹介しています。対象はブラジルのビジネスディレクトリサイト、規模は1,062ページ、観測期間は41日間でした。

やり方は変数を絞った作りになっています。ナビゲーションを二分し、11セクションはHTMLへ直接リンクを記述、残る10セクションはJavaScriptでリンクを注入。サイトマップをはじめとする他の発見経路は止め、「リンクをたどれるか否か」だけが差になるよう設計されています。

観測されたなかでJavaScriptを実行していたのは、Googleの2つのクローラーのみでした。JavaScript経由のページに対し、GoogleOtherの到達は48%、検索インデックス用のGooglebotは2%と報告されています。ただしHTMLリンク側でもGooglebotは5%で、到達率そのものが全体的に低い点は割り引いて読む必要があります。GPTBot、ClaudeBot、Bingbot、Meta-ExternalAgent、Amazonbotについては、JavaScriptリンク経由のページへの到達が1ページも記録されなかったとのことです。

同氏が挙げる対処は2点。自サイトの「生のHTML」に何が入っているかをまず見ること、そしてコンテンツより先にリンクのサーバーサイドレンダリングを手当てすることです。1サイトの結果ですので一般則として扱うのは早計ですが、AI検索での露出を気にするなら、リンクがHTMLソース上に存在しているかの点検は低コストで済みます。

②地球儀アイコンに置き換わっていたファビコン、週末を挟んで解消

②地球儀アイコンに置き換わっていたファビコン、週末を挟んで解消

先週半ば以降、Google検索の結果ページでサイト固有のファビコンが出ず、既定の地球儀アイコンに差し替わる報告が上がっていました。

Search Engine Land(Barry Schwartz氏・8月21日)が伝えるところでは、Googleで検索エンジニアリングを統括するバイスプレジデントのRajan Patel氏が「こちら側の問題です。原因は特定できており、できるだけ早く対処します」と自社側の不具合であることを認めています。その後8月22日に大半が戻り、8月23日には解消したと報じられました。

サイト運営側で打つ手は特になく、Google内部の修正で片付いたかたちです。とはいえファビコンは検索結果で自社を見分けてもらえる数少ない手がかりですから、この間のCTRが動いていた可能性は残ります。順位が変わらなくてもクリック率は揺れうる、という実例として記憶しておきたいところです。

③実務メモ:AIコーディング環境でE-E-A-Tの監査ツールを組んだ手順

③実務メモ:AIコーディング環境でE-E-A-Tの監査ツールを組んだ手順

James Allen氏が自作したE-E-A-T監査ツールの作り方を、Search Engine Landが8月21日に掲載しました。

手順は4段階です。まずGoogleのE-E-A-T関連ガイダンスを読み込ませ、評価基準(ルーブリック)に落とす。次にヘッドレスChromiumで対象URLの生HTMLとレンダリング後のコンテンツを両方取得する。そのうえで代表的な15ページ程度に基準を当てて評価し、最後にスコアと改善提案をまとめた文書として出力する、という流れです。見る観点には、著者の経歴や肩書きの記載、コンテンツの深さと技術的な正確さ、運営者情報や問い合わせ先といった透明性、法務系ページの信頼シグナルなどが挙がっています。

見逃せないのは、同氏自身が付けている但し書きです。E-E-A-Tは直接のランキング要因ではなく、このツールを使えば順位が上がると保証されるものでもない、最初の出力は下書き扱いで人が確認すべき——と明記されています。位置づけとしては「見落としを拾う仕組み」と捉えるのが妥当でしょう。手作業のチェックリストが形だけになっているサイトなら、棚卸しの入り口として使えそうです。

④数字で見るAIの推薦——「区別できる商機は思ったほど多くなかった」という仮説

④数字で見るAIの推薦——「区別できる商機は思ったほど多くなかった」という仮説

Duane Forrester氏がSearch Engine Journalに寄せた分析(8月20日)が、AI検索におけるブランド推薦の偏りを数値で示しています。

3つのAIモデルへ250のカテゴリークエリを投げたところ、トップブランドが3モデルすべてで一致した割合は41.6%。2モデル以上が同じブランドを挙げる「多数派の一致」まで広げると91.6%に達したとされます。買い手のペルソナを差し替えても、カテゴリー上位の顔ぶれは80%が変わらなかった一方、中堅ブランドではペルソナ次第で推薦の75%が入れ替わったとのことです。支配的なブランドが不在の「競争の空白」は8%どまり。さらに、実在ブランドと同一の指標を与えた架空ブランドを比較した670回の試行では、実在ブランドが100%選ばれたと報告されています。

同氏はこれを計測の失敗ではなく、「言い回しの数ほどには、実際に区別できる商機は多くなかった」ことが表に出たのではないか、という仮説として提示しています。導かれる示唆は、フレーズの網羅を広げるより、エンティティ(ブランド)としてどう認識されるかに資源を振る、という方向です。ひとつの分析にもとづく解釈であって結論ではありませんが、キーワード設計の前提を点検する材料にはなりそうです。

⑤Microsoft広告:10月1日以降の新規キャンペーンでMax CPCが設定不可に

⑤Microsoft広告:10月1日以降の新規キャンペーンでMax CPCが設定不可に

Search Engine Land(Anu Adegbola氏・8月20日)によれば、Microsoft Advertisingは2026年10月1日から、新しく作るキャンペーンでMax CPC(上限クリック単価)の設定を廃止します。

影響を受けるのは、単体で使う自動入札戦略のうち「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」「クリック数の最大化」の3つです。10月1日より前に作成済みのキャンペーンは、これまでのMax CPC設定をそのまま保持できます。ポートフォリオ入札戦略、目標インプレッションシェア、拡張CPC(eCPC)では引き続きMax CPCが使えるとのことです。

Microsoftが説明する理由は、上限CPCが自動入札のパフォーマンス目標を上書きしてしまい、支出のムラにつながるというものです。記事では、年末商戦向けに新規キャンペーンを立てる前に、既存キャンペーンで上限CPCを外す実験をして影響を掴んでおくことがすすめられています。Microsoft広告を運用中であれば、9月のうちに検証の時間を確保しておくと落ち着いて判断できそうです。


本日は以上です。①と④は別々の話題ですが、「機械が読める形で置かれているか」「機械に認識されるブランドか」という補助線を引くと、案外近い場所にある論点かもしれません。続報が出れば改めて取り上げます。

※本記事は公開情報をもとに独自に要約・解説したものです。仕様や提供状況は変更される可能性があるため、正確な情報は各出典をご確認ください。

江
江守義樹

一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。

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