AI検索の送客数をめぐるGoogleの主張、EUの検索データ共有命令など——海外SEOニュースまとめ(2026年7月21日)
目次
こんにちは、SEOタイムズ(seo-times.news)です。2026年7月21日時点で押さえておきたい海外SEOのニュースを、本日は5つのトピックに整理してお伝えします。
「AI検索経由で週に数十億クリック」——Google幹部の発言とその受け止め方

Google検索担当の上級副社長であるNick Fox氏がLinkedInに投稿し、AI OverviewsとAI Modeの2つのAI検索機能だけでも、ウェブサイトへ毎週数十億件のクリックを届けていると述べました。Google検索全体としては「毎日数十億件」のクリックを送出しているとのことです。
ただ、この発言をそのまま受け取ってよいかについては、業界内で慎重な声が少なくありません。ゼロクリック検索の広がりやAI Overviews導入後のクリック減少を示す第三者調査は複数存在しますし、Search Consoleの「AI機能のパフォーマンス」レポートには、現時点でクリック数の内訳が用意されていません。「数十億」という桁だけでは、AI経由のクリックが検索全体に占める比率も判断できないため、裏付けデータの公開を求める意見が出ています。当面は「Googleの主張」として距離を置きつつ、自サイトの実測値をもとに判断するのが現実的でしょう。
欧州委員会、匿名化済み検索データの競合提供をGoogleに命令——2027年に向けて準備が進む

デジタル市場法(DMA)に基づき、欧州委員会がGoogleに対して法的拘束力のある決定を下しました。内容は、匿名化した検索データを競合事業者と共有する義務です。対象となるのは検索クエリ、言語・端末種別といったメタデータ、クリックされたURL、ユーザーの操作、検索結果の掲載順位などで、ランキングアルゴリズムそのものは含まれません。
データ提供を受けられる条件は、EU域内で月間5万人以上の利用者を持ち、2年以上の運用実績(もしくは投資テストの通過)とセキュリティ監査への合格を満たした検索エンジン、または検索機能を備えたAIチャットボットです。BingやDuckDuckGoなどが候補になるとみられています。スケジュールとしては、Googleが2026年末までにデータセットを準備し、2027年1月までに価格提案を提出する流れです。Google側はケント・ウォーカー氏が「プライバシーとセキュリティの保護を損なうおそれがある」と反対の立場を示しています。競合検索エンジンやAI検索の品質が向上すれば、長い目で見て検索市場の構図が変わる可能性もありますが、これはあくまで仮説の段階です。
Search Consoleの「エラー」表示、実は直さなくてよいものが多い?——Google社員が解説

Googleの公式ポッドキャスト「Search Off The Record」で、John Mueller氏とMartin Splitt氏がSearch Consoleレポートの正しい読み方を取り上げました。Mueller氏によると、ページインデックス登録レポートを見た多くのサイト運営者が「未登録のページ=直すべき不具合」と受け取ってしまっているそうです。Splitt氏も、Googleからのメール通知やレポートの見せ方が「修正必須」という誤った印象を与えていると認めています。
番組内で挙げられた例は次のとおりです。第一に、インデックスされていないページがあること自体は必ずしも問題ではないこと。第二に、404は本来正常なレスポンスであり、エラーとして表示される現状が誤解のもとになっていること。第三に、サイト移転に伴うリダイレクトの増加は想定内の挙動であることです。Search Consoleを「修正すべき項目のチェックリスト」ではなく「異常なパターンに気づくための道具」として使い、急な変化が起きたときにだけ詳しく調べる——それがGoogleの意図に沿った使い方だと言えそうです。
LSA(Local Services Ads)がGoogle Adsへ——米国では2026年8月から順次移行

GoogleがLocal Services Ads(LSA)について、リード獲得型のPerformance MaxキャンペーンとしてGoogle Adsに組み込む方針を発表しました。移行は2026年8月に米国の一部広告主からスタートし、2026年後半から2027年にかけて範囲を広げ、米国以外のアカウントは2027年に対応する予定です。
課金モデルは変わらず、電話・メッセージ・予約といった「有効なリード」ごとの課金で、クリック課金には切り替わりません。一方で運用面の変更は複数あります。予算管理が週平均から日平均になること、手動入札がなくなること、CPA目標がキャンペーン単位に一本化されること、リード管理の場所がGoogle Ads内のLead Managerへ移ることなどです。特に注意したいのは、過去のレポートデータが移行後のGoogle Adsへは引き継がれない点で、移行前のダウンロードが推奨されています。ローカルビジネスの広告運用に関わる方は、早めに段取りを確認しておくとよいでしょう。
ChatGPT上のブランド露出は「トピックごとの陣取り」——Semrushの大規模調査から

Semrushが、ChatGPT上でのブランド言及に関する調査結果を公開しました。対象は米国の1,094カテゴリ、5万を超えるブランド、22万超のドメインで、2026年1月から6月まで月次で追跡しています。各カテゴリに代表的なプロンプトを5つ用意し、「5問中4問以上で首位、かつ2位との差が5ポイント以上」を「明確な支配」と定義しました。
その結果、明確な支配ブランドが存在するカテゴリは全体の15.2%にとどまり、53.7%のカテゴリでは勝者が決まっていない状態でした。また、支配的なブランドは従来型のSEO指標でも優位な傾向が見られ、ブランド検索ボリュームでは55.7%、オーソリティスコアでは52.5%のケースで他を上回っていました。ただし調査は「強いSEO基盤は必要条件ではあるが、それだけでトピックの支配が保証されるわけではない」と分析しています。いったん確立された支配は崩れにくく、明確な支配者の90.4%が月次で首位を守り続けていたことも報告されました。Semrushは、多数のカテゴリに手を広げるのではなく、2〜3のカテゴリに集中してトピックの権威性を積み上げる戦略を勧めています。なお、これは一事業者による調査であり、測定手法が変われば結果も変わり得る点は割り引いて読む必要があります。
出典:Semrush Blog
おわりに
本日の5トピックは以上です。AI検索の送客をめぐる議論とEUの規制決定は、いずれも今後の検索環境を左右し得るテーマですので、続報が入り次第あらためてお伝えします。
一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。
