EUがGoogleにDMA初の制裁金8.9億ユーロ/レビュー構造化データに新規定——2026年7月25日のSEO動向
目次
2026年7月25日時点で押さえておきたい検索関連のニュースを5本まとめました。今回は、欧州委員会によるデジタル市場法(DMA)に基づく初のGoogle制裁、レビュースニペットのガイドライン更新、Alphabetの四半期決算、SerpApiをめぐる訴訟の判断、そして大手メディアの「Google離れ」検討報道を取り上げます。いずれも一次情報・報道へのリンクを添えていますので、詳細はあわせてご確認ください。
レビュースニペットのガイドラインに「偽レビュー・非開示の報酬付きレビュー」の禁止が追加

Google検索セントラルのレビュースニペット構造化データに関するドキュメントに、新たなガイドライン項目が加わりました。偽のレビュー、および報酬(インセンティブ)を受け取った事実を開示していないレビューは、構造化データのマークアップだけでなくページ本体にも含めてはならない、とされています。該当例としては、商品やサービスの実体験にもとづかないレビューと、金銭・割引・無料商品などと引き換えに書かれたにもかかわらずその旨を明確かつ目立つ形で示していないレビューが示されています。
出典:Google 検索セントラル/Search Engine Land
クーポンや特典と引き換えにレビューを集めている場合は、開示表記が十分かどうか点検しておきたいところです。対象がマークアップに限らず「ページ上のレビューそのもの」にも及ぶと読める点は、見落としやすい注意点だと考えます。
DMA違反でEUがGoogleに総額8.9億ユーロの制裁金——同法にもとづく初の処分

欧州委員会は7月23日、デジタル市場法(DMA)への違反を理由に、Googleへ総額8.9億ユーロ(約10億ドル)の制裁金を科したと発表しました。内訳は2件です。1つは、検索結果上でGoogle FlightsやGoogle Hotelsといった自社サービスを競合より有利に扱っていたことへの4.6億ユーロ。もう1つは、Google Playにおいてアプリ開発者がストア外の購入手段を利用者に案内するのを制限していたことへの4.3億ユーロです。DMAにもとづくGoogleへの制裁はこれが初めてで、同法のもとでは過去最大の金額となります。Googleには60日以内の是正が求められています。また同じ7月には、検索データの匿名化共有を義務付ける別の拘束的決定も出されています。
出典:欧州委員会/Search Engine Journal
是正対応にともない、EU圏ではホテル・フライトなどバーティカル領域の検索結果表示が変わる可能性があります。EU外にどこまで波及するかは現時点では分かりませんが、SERPの変更が他地域へ広がった前例はあるため、あくまで仮説としつつ経過を見ておく価値はありそうです。
Alphabet決算(2026年4-6月期):検索収入は前年比17%増も、加速トレンドは一服

Alphabetが発表した2026年4-6月期の決算では、「検索その他」の収入が632.7億ドルで、前年同期から17%の増加でした。増収基調は変わらないものの、直近の四半期で続いていた成長率の切り上がり(15%→17%→19%)と比べると、今回は17%にとどまり、加速には一服感が見られます。Sundar Pichai CEOは、AI機能が検索クエリの増加を押し上げていると説明し、Geminiの月間アクティブユーザー数が9.5億人に達したことも明らかにしました。
出典:Search Engine Journal/Alphabet決算資料
この数字はあくまで広告収入であり、各サイトへのオーガニック流入とは別の指標です。「検索は成長している」という企業側の発表と、パブリッシャーが体感している流入減とのギャップは続いているため、判断はSearch Consoleなど自サイトの実測値にもとづくのが安全だと考えます。
SerpApi訴訟:GoogleのDMCA回避禁止規定にもとづく主張を米連邦地裁が退ける

検索結果取得ツールのSerpApiをGoogleが訴えている件で、米連邦地裁のYvonne Gonzalez Rogers裁判官は、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)の回避禁止規定にもとづくGoogle側の主張を退けました。著作権のあるコンテンツを含まない公開検索結果について、自動アクセスの遮断をすり抜けたとしても「著作権保護の回避」には該当しない、という判断です。他方で、ナレッジパネル内のライセンス画像に関する主張については、21日以内に修正することを条件に再提出が認められました。
順位計測をはじめSERPのスクレイピングに依存するSEOツール各社にとっては、ひとまず有利に働く判断といえます。ただし訴訟そのものは続いており、最終的な結論はまだ出ていない点には留意が必要です。
「Google検索からの離脱」を検討する大手パブリッシャーが相次ぐとの報道

Search Engine Journalの記事は、Adweekなどの報道を引きつつ、複数の大手パブリッシャーがGoogle検索との距離の取り方を再考していると伝えています。USA Today Co.は今後6〜12カ月でのGoogle検索からの離脱を検討すると表明し、People Inc.はGoogleの完全ブロックを選択肢に含めて検討、PoliticoとReutersはクローラーの制限を検討していると報じられています。さらにRedditは、年間6,000万ドルとされるGoogleとのライセンス契約の見直しを進めているとのことです。いずれの動きも検討段階であり、実行が確定したものではありません。
背景として、AI検索の普及後に流入が減ったことへの不満があるとみられます(各社の意図に関する部分は報道ベースの推測です)。実際に離脱へ踏み切る大手が現れれば業界の前例になるだけに、交渉材料としての表明なのか本気の撤退準備なのかも含め、続報を追いたいテーマです。
本日のまとめ
規制(EUのDMA制裁)、ガイドライン(レビュースニペットの新規定)、業績(Alphabet決算)、司法判断(SerpApi訴訟)、業界の構造変化(パブリッシャーのGoogle離れ検討)と、性質の異なる動きが同時に進んだ一日でした。特にレビューの開示要件は、多くのサイト運営者にとって今すぐ点検できる実務項目です。各トピックとも一次情報のリンクを掲載していますので、ご自身のサイトへの影響を確認する際の起点としてご活用ください。
一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。
