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Google広告の配信量を絞る新ポリシーが全製品に拡大へ/AI引用の91%は単一プラットフォーム限定——2026年8月9日のSEOニュース

江 江守義樹
公開 2026.08.09 更新 2026.08.13 約6分で読めます

目次

  1. 01Google Ads全体に広がる「Limited Ad Serving」——展開は2028年まで続く見込み
  2. 02「引用の91%は1つのAIにしか現れない」——計測が追いつかないAIの影響
  3. 03AIへの依頼は「文脈次第」——3モデルに同じ課題を投げた実験の結果
  4. 04出典にリンクを張らないメディアへの批判——「クリックを求めるなら、まずリンクを」
  5. 05まとめ

2026年8月9日のSEO関連ニュースをまとめてお届けします。日曜のため公式発表は少なめですが、注目すべき話題が4つあります。Google Adsで「リスクあり」と判定されたアカウントの配信量を制限するポリシーの全製品展開、AI検索の引用が単一プラットフォームに偏っていることを示す計測データ、AIに渡す情報量で戦略提案の質が大きく変わることを確かめた実験、そして出典リンクを張らないパブリッシャーへの問題提起です。順に見ていきます。

Google Ads全体に広がる「Limited Ad Serving」——展開は2028年まで続く見込み

Google Ads全体に広がる「Limited Ad Serving」——展開は2028年まで続く見込み

Google Adsで、リスクが高いと判断されたアカウントの広告表示回数を絞る「Limited Ad Serving(限定的な広告配信)」ポリシーが、全Google Ads製品に拡大されると報じられています。ポリシー違反の広告を即座に不承認とするのではなく、アカウントの信頼性が確認できるまで配信ボリュームを抑える仕組みです。展開開始は2026年8月からで、2028年にかけて段階的に適用範囲が広がるとされています。

リスク判定に使われるのは、アカウントの運用実績、広告主確認(本人確認)の完了状況、これまでのポリシー準拠履歴といった複数のシグナルだと説明されています。長期間の運用実績があり信頼シグナルが強いアカウントには、基本的に影響はない見込みです。逆に、立ち上げ直後の新規アカウントや準拠状況に懸念があるアカウントは、配信制限の対象になる可能性があります。制限された場合の正式な異議申し立て手続きも用意されるとのことです。これから広告アカウントを新設する場合、広告主確認を早めに完了させ、ブランド情報の一貫性を保つことが従来以上に大切になりそうです。

出典:Search Engine Land

「引用の91%は1つのAIにしか現れない」——計測が追いつかないAIの影響

「引用の91%は1つのAIにしか現れない」——計測が追いつかないAIの影響

Search Engine JournalにGreg Jarboe氏が寄稿し、2026年上半期のデータを根拠に「AIがブランドに与える影響は、ブランド側の計測能力を上回るスピードで拡大している」と指摘しています。同記事が引くデータでは、AI検索におけるサイテーション(引用)の91%が、ChatGPT・Perplexity・AI Overviewsのいずれか1つのプラットフォームだけに出現し、複数のAIをまたいで引用されるケースはごくわずかだったとのことです。裏を返せば、特定のAIでの可視性を測っても、他のAIでどう見えているかはほぼ把握できないということになります。

プラットフォーム間の利用シェアも大きく動いています。記事の数字では、ChatGPTのシェアは2025年7月からの1年間で78%から56%に下がり、その間にGeminiは15%から30%へ、Claudeは2%から10%へ拡大したとされています。さらに、消費者の約75%は、他に信頼できるブランドが見当たらなければAIが最上位に示した回答をそのまま受け入れる、という調査結果も紹介されています。これらの数値は特定の調査・ツールに依拠したものであり、断定的に扱うべきではありませんが、「単一プラットフォームの順位だけを追ってもAI経由の露出は測れない」という指摘は、KPIを設計し直す際の材料になりそうです。

出典:Search Engine Journal

AIへの依頼は「文脈次第」——3モデルに同じ課題を投げた実験の結果

AIへの依頼は「文脈次第」——3モデルに同じ課題を投げた実験の結果

ChatGPT・Claude・Geminiの3つのモデルへ同一の戦略課題を与えたらどうなるか。Search Engine LandでToby Brissett氏が、AI検索での可視性に課題を抱える空調設備会社を題材にした実験を報告しています。1回目は最小限の指示だけを与えたところ、各モデルが足りない前提を独自に補い、発見性を重視する案、技術的な最適化を軸にする案、コンサルティング的なフレームワークを提示する案と、方向性のまったく異なる提案が返ってきたそうです。

2回目は条件を変え、地域密着型の空調会社であること、予算に制約があること、問い合わせ獲得と保守契約を重視していることといった具体的なビジネス情報を追加しました。すると3モデルの提案は、同じ商業的な現実を踏まえた内容へと収束したとのことです。それでも、どの提案を優先するかの最終判断には、実現可能性や事業目標との整合性を見きわめる人間の目が欠かせなかったと記事は結ばれています。AIをSEO戦略の相談相手として使うなら、プロンプトの言い回しを磨くことよりも、ビジネスの背景情報をきちんと渡すことを先に考えるべきかもしれません。

出典:Search Engine Land

出典にリンクを張らないメディアへの批判——「クリックを求めるなら、まずリンクを」

出典にリンクを張らないメディアへの批判——「クリックを求めるなら、まずリンクを」

AI Overviewsによるトラフィック減少を嘆く一方で、自分たちは記事中で出典元へリンクを張らない——そうしたパブリッシャーの姿勢を、Nick LeRoy氏がSearch Engine Landで「オープンウェブを内側から傷つける行為」と批判しています。記事中では、データを引用しておきながらリンクを付けない例、無償であるべき出典リンクの代わりに500ドルの有料掲載を提案された例、編集上の引用にまで一律にnofollowを付与する運用などが具体例として挙げられています。

LeRoy氏は「関連する情報源にリンクしてもサイトの権威が流出することはない」との立場から、掲載前チェックとして4つの問いを提案しています。(1)その情報源は実際に情報を提供したか、(2)読者が訪問する価値はあるか、(3)信頼に足るか、(4)無償か——のすべてがYesであれば、通常のリンクを張るべきだという考え方です。あくまで一人の筆者による意見ではあるものの、当サイトも出典リンクの明示を編集方針の基本に据えており、引用と出典表記のあり方を見直すうえで示唆に富む指摘だと受け止めています。

出典:Search Engine Land

まとめ

本日の4本をお届けしました。広告アカウントの新規開設を控えている方は、Limited Ad Servingの拡大に備えて広告主確認などの信頼シグナルを早めに整えておくことをおすすめします。また、AI検索での引用はプラットフォームごとに分断が進んでいるため、可視性の計測は1つのAIに絞らず、複数プラットフォームを横断して行うのがよさそうです。次回の更新もどうぞお楽しみに。

江
江守義樹

一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。

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