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フランス新聞300社がAI Overviewsで当局申し立て——8月12日のSEO最新動向

江 江守義樹
公開 2026.08.12 更新 2026.08.13 約6分で読めます

目次

  1. 01フランス報道業界、AI Overviewsを競争当局に訴える動き
  2. 02「生成AIパフォーマンスレポート」、Search Consoleでの提供範囲が広がる
  3. 03ChatGPT検索は「契約の有無」でサイトを差別しない?——1,249件の回答分析
  4. 04Google AdsとAnalytics、AIエージェント機能の追加を発表
  5. 05Claudeの生成テキストに不可視の透かし——AnthropicがEU AI法対応で導入へ
  6. 06本日のまとめ

2026年8月12日の海外SEOニュースをまとめてお届けします。本日はフランスの報道業界によるGoogleへの申し立てを筆頭に、Search Consoleの新レポート、ChatGPT検索の仕組みに関する調査、Google広告・分析ツールのAI強化、AnthropicのAI透かし対応まで、5つの話題を取り上げます。

フランス報道業界、AI Overviewsを競争当局に訴える動き

フランス報道業界、AI Overviewsを競争当局に訴える動き

フランスの報道連盟APIGに加盟する約300の新聞社が、GoogleのAI Overviewsについてフランス競争当局へ申し立てを行ったと報じられています。出版社側の主張は、AI Overviewsが許可なく導入され、参照トラフィックの減少を招いているというものです。APIG会長は「イノベーションを止めることが目的ではなく、価値の共有とコンテンツ利用への補償を求めている」との立場を示しています。これに対しGoogleは、AI Overviewsは複雑な質問への対応や新しいコンテンツとの出会いを支援する機能だと反論しました。なお、フランス競争当局は以前にも出版社との交渉義務をめぐってGoogleに2億5,000万ユーロの制裁金を科したことがあります。

出典:Search Engine Land

「AI要約によるトラフィック減」という論点が、欧州では規制当局を通じた法的手続きの段階に入りつつあるようです。結論はまだ出ていませんが、この種の申し立てが増えれば、AI Overviewsの表示仕様そのものに影響が及ぶ可能性もあると見ています(あくまで推測です)。

「生成AIパフォーマンスレポート」、Search Consoleでの提供範囲が広がる

「生成AIパフォーマンスレポート」、Search Consoleでの提供範囲が広がる

AI OverviewsやAIモードといった生成AI機能の中で自分のサイトがどう表示されているかを確認できる「生成AIパフォーマンスレポート」について、Search Consoleでの展開が進んでいます。提供開始当初は英国の一部サイトに限られていましたが、6月下旬の時点で米国・インド・スイスなど複数の国のサイトでも表示が確認されました。GoogleのJohn Mueller氏は「段階的に展開しながらフィードバックを確認している」と説明しています。レポートで確認できる項目はインプレッション・ページ・国・デバイス・日付で、クリックデータは含まれていない点には注意してください。

出典:Search Engine Land

執筆時点では、全プロパティへの展開が完了したという公式発表は確認できていません。とはいえ対象は着実に広がっていますので、まずはご自身のSearch Consoleでレポートの有無を確認し、AI機能経由の表示回数を通常検索と分けて記録しておくことをおすすめします。

ChatGPT検索は「契約の有無」でサイトを差別しない?——1,249件の回答分析

ChatGPT検索は「契約の有無」でサイトを差別しない?——1,249件の回答分析

フランスのSEOコンサルティング会社Resoneoが、7月に取得したChatGPTの回答1,249件を分析した調査が報じられました。それによると、OpenAIとライセンス契約を結んでいない数百の媒体も、提携サイトと「同じ形式・同じ長さ・同じ鮮度」で表示されていたとされます。さらに、有料アカウントの思考モードでは回答の約75%がGoogle経由の情報、約24%がOpenAI自社インデックス(通称「labrador」)に基づいていた一方、無料アカウントでは自社インデックスが大半を処理していたとのことです。保存されるデータはページタイトルや冒頭部分を中心とした短いスニペット(約200字以内)が多いという分析もあります。

出典:Search Engine Journal

外部調査による推定値であることは差し引いて読む必要がありますが、「契約メディアだけが優遇されるわけではない」のだとすれば、中小規模のサイトにもAI検索経由の露出チャンスがあると解釈できます。タイトルと冒頭200字に要点を詰め込む記事構成は、無理のない対策の一つになりそうです(仮説の段階です)。

Google AdsとAnalytics、AIエージェント機能の追加を発表

Google AdsとAnalytics、AIエージェント機能の追加を発表

Googleは8月10日、Google AdsとGoogle Analyticsに新しいAI機能を追加すると発表しました。内容は、AIアシスタント「Ask Advisor」のエージェント機能の拡張に加え、Analyticsのホーム画面に前回ログイン以降の主要な変化をまとめるAIサマリーが表示されるというものです。あわせて、自然言語のプロンプトからビジュアルレポートを自動で作成する「AIダッシュボード」も導入され、まずはGoogle Adsで利用でき、Analyticsへの対応は今後の予定とされています。

出典:Search Engine Land

レポート作成の一部が「プロンプトで指示すれば済む」形へと移り変わっていく流れが感じられます。ただし数値の解釈までAIに委ねるのではなく、要約の根拠となるデータを人が確認する運用ルールを併せて整えておきたいところです。

Claudeの生成テキストに不可視の透かし——AnthropicがEU AI法対応で導入へ

Claudeの生成テキストに不可視の透かし——AnthropicがEU AI法対応で導入へ

Anthropicが、Claudeの生成するテキストへ不可視の透かしを埋め込み、生成画像ファイル(PNG/JPG/SVG)には署名付きメタデータを付与すると報じられています。これはEUのAI法(AI Act)第50条(2)に関する「AI生成コンテンツの透明性に関する実践規範」への署名に伴う対応で、2026年8月2日以降にEUで提供されるモデルから適用され、APIやクラウド経由を含むグローバルのClaude製品にも及ぶとされています。一方で、この透かしはClaudeが関与した可能性を示すものにすぎず、人間が書いた文章の校正や翻訳でも付与される場合があるなど、「AIが書いた証明」にはならないという指摘もあります。

出典:Search Engine Journal

AI利用の有無が機械可読になる方向へ、一歩進んだと言えそうです。ただし検出には限界があり、Googleがこうした透かしを検索の評価に使うかどうかも現時点では不明です(推測を含みます)。社内でコンテンツ制作におけるAI利用ポリシーを明文化する、良い機会になるかもしれません。

本日のまとめ

規制・計測・AI検索の仕組みという3つの軸で動きがあった一日でした。フランスの申し立ては結論が出るまで時間がかかる見込みですが、AI Overviewsとパブリッシャーの関係を占う事例として継続して追っていきます。Search Consoleの生成AIレポートが届いている方は、AI経由の表示データの記録を今日から始めてみてください。

江
江守義樹

一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。

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