EEA向け検索でサイト評判ポリシーの手動対策が停止へ|海外SEOニュース 2026年8月29日
目次
2026年8月28日から29日にかけての海外SEO関連の動きから、実務に関わりそうな5件を整理しました。最大の話題は、Googleの「サイトの評判の不正使用(site reputation abuse)」ポリシーが、ユーザーの所在地域によって執行方法を分けることになった点です。加えて、AI Overviewsの表示に関するテスト、8月28日に発生した検索側のトラブル、そしてfaviconとPreferred Sourcesにまつわる設定面の話題を取り上げます。
地域で執行が分かれる — EEA内では該当ページに手動対策が及ばない扱いに

「サイトの評判の不正使用」ポリシーが改定されました。欧州経済領域(EEA)内のユーザー向けに表示される検索結果においては、対象ページが手動対策の影響を受けない扱いになります。スパムポリシーの公式ドキュメント上では、EEA外について「該当ページは手動対策の対象になり得る」、EEA内について「該当ページはメインドメインとは別のものとして分類され得るが、手動対策の影響は受けない」と書き分けられています。
では手動対策に代わって何が働くのか。ドキュメントの説明はこうです。「この分類は、個々のページ(新規ページを含む)がそのドメイン上の他のページ全体の品質と同等であるという、通常グローバルに適用している前提が、もはや当てはまらないことを我々のシステムに伝える」。ドメイン全体の評価を借りる形が成り立たなくなる、と読める記述です。
Search Engine Journal および Search Engine Roundtable の報道によれば、この改定は欧州委員会の指示(DMA関連)を背景としたもので、発効は2026年8月30日です。スパムポリシーの執行を地域ごとに変えるのは前例の少ない対応であり、Search Engine Roundtable のBarry Schwartz氏は、EEA内でこの手法が広がりかねないという懸念を述べています。もっとも、EEA内の順位分布が実際にどう変わるかを示すデータはまだなく、評価は待つべき段階だと考えられます。
- 出典:Google 検索セントラル(スパムに関するポリシー)
- 出典:Google 検索セントラル ブログ
- 出典:Search Engine Journal
- 出典:Search Engine Roundtable
「Show more」なしでAI Overviewsを開いた状態にするテストを観測

一部のクエリで、AI Overviewsが最初から展開された状態で表示されるテストが確認されています。これまでは短い要約が出て、「Show more」ボタンを押すと全文が開く形でした。テストでは全文と「Ask anything」ボックスが既定で開いており、通常の検索結果はその分だけ下へ押し下げられます。ユーザーがスクロールを始めると展開が中止される作りになっており、読んでいる位置を見失わないよう配慮されているとのことです。
指摘したのはXのChris Long氏で、これを Search Engine Roundtable が取り上げました。Google広報は、システムが最も有用と判断したトピックについて、AI Overviewsが動的に展開されることがあるとコメントしています。
自然検索リンクがファーストビューに届くまでの距離がさらに伸びる可能性はあるものの、現時点ではテスト段階の観測にとどまり、恒久的な仕様として決まったわけではありません。影響を把握したいなら、AI Overviewsが出るクエリ群を切り分けたうえでCTRの推移を追うのが先だと考えられます。
8月28日朝、公開直後の記事が検索結果に出ない事象

米国東部時間で2026年8月28日6時15分頃から7時35分頃まで、直近1時間以内に公開されたコンテンツが検索結果に現れない状態が観測されました。確認されたのは Wall Street Journal、New York Times、CNN、Search Engine Roundtable などです。
Search Console のURL検査では対象ページが「indexed」と表示されていました。ここから、インデックス側ではなく配信(serving)側の問題ではないか、という見方が出ています。これは観測に基づく仮説であり、Googleからの公式な原因説明は出ていません。ステータスダッシュボードにも掲示はありませんでした。7時35分頃には通常どおりの表示に戻り、事象は収束したと報じられています。
速報性の高いサイトを運用しているなら、この時間帯に指標が落ちていても自サイトが原因とは限りません。設定に手を入れる前に、外部の障害報告と時刻を照合するほうが安全です。
設定メモ:faviconの対応形式がドキュメントに明記、SVGは入っていない

favicon の開発者向けドキュメントが更新され、サポートされるファイル形式が明記されました。追記されたのは「Google Search supports the following favicon file formats: BMP, GIF, ICO, PNG, JPEG, PPM, and TIFF」という一文です。
従来は外部の参照先へのリンクという形だったため、内容が時間とともに変わり得る点で対象が曖昧でした。Googleは、サポート形式そのものを変えたのではなく、ドキュメント上で明示しただけだと説明しています。
実務で気に留めたいのは、この一覧にSVGが含まれていない点です。faviconをSVGだけで用意しているなら、検索結果での表示を確実にする目的で、PNGなどピクセルベースの形式も併せて置いておくのが無難でしょう。この更新の約1週間前には検索結果のfavicon表示に不具合が起きた経緯もあり、Search Console側にデバッグ手段がほしいという声も上がっています。
設定メモ:Preferred Sources(優先する情報源)ボタンの設置手順

Preferred Sources は、ユーザー自身が優先したい媒体を指定できる機能です。指定した人のトップニュースやAI Overviewsでの表示に影響します。全体の順位を押し上げる機能ではありませんし、記事の掲載を保証するものでもありません。ここは取り違えないようにしたい部分です。
手順は Search Engine Journal がまとめています。標準の埋め込みは、まずライブラリを一度読み込み(`https://news.google.com/swg/js/v1/publisher.js`)、記事側に `<div google-add-preferred-source-btn></div>` を置く形です。暗い背景なら `data-theme=”dark”` を、言語を明示したい場合に限り `data-lang` を指定します。JavaScriptを足せない環境向けには、`https://www.google.com/preferences/source?q=example.com` 形式のディープリンクという代替手段もありますが、その分ユーザー側の操作手順は増えます。
前提として、その媒体がGoogleのソース設定ツールに表示される必要があります。対象となるのはドメインとサブドメイン(example.com、news.example.com)で、サブディレクトリ(example.com/blog)は含まれません。繰り返し読んでもらう導線として検討する価値はあるものの、直接のランキング要因ではない、という整理で臨むのがよさそうです。
今回は「スパムポリシーの執行が地域ごとに分かれる」という、あまり例のない話が軸になりました。EEA向けの施策を持っているサイトであれば、8月30日以降の変化を自分の手元のデータで確かめていくのが現実的だと思います。
一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。
