EUがGoogleに約10億ドルの制裁金、ChatGPTはYelpと提携——2026年7月24日のSEO関連ニュースまとめ
目次
おはようございます。SEO Timesです。本日は、欧州発の大きな規制ニュースを筆頭に、AI検索とローカル情報の連携、Alphabetの決算、YouTubeの収益化ポリシーの解説と、動きの多い一日でした。順に見ていきます。
① DMA違反でGoogleに8.9億ユーロ——欧州委員会が60日以内の是正を要求

欧州委員会は2026年7月23日、デジタル市場法(DMA)に違反したとして、Googleへ総額8億9,000万ユーロ(約10億ドル)の制裁金を科すと発表しました。金額の内訳は2件に分かれており、Google検索における自社サービスの優遇に4億6,000万ユーロ、Google Playにおける開発者への制限行為に4億3,000万ユーロです。
検索側で問題とされたのは、ショッピング・ホテル・交通・スポーツといった分野の検索結果において、Google自身のサービスをサードパーティよりも目立つ形で提示していた点です。是正の期限は決定から60日以内と定められており、応じない場合には世界売上高の最大5%に相当する定期的な制裁金が課され得るとされています。
編集部の見方:期限が60日と短いため、EU圏ではホテル・フライト・ショッピングなどの専用モジュールの表示が比較的早く変わるかもしれません。日本の検索結果へすぐ影響する話ではないものの、EUでのUI変更が他地域へ広がった例は過去にもあります。バーティカル領域で集客しているサイトは、続報を追う価値がありそうです(他地域への波及があるかは、現時点では分からないというのが正直なところです)。
② OpenAIとYelpがライセンス契約——ChatGPTのローカル回答にレビュー・写真が載る見込み

OpenAIがYelpとのライセンス契約を結びました。この契約により、Yelpの持つレビュー・評価・写真・店舗などのビジネス情報がChatGPTへ提供され、ローカル検索に関する質問への回答内で、Yelpのブランド表記とサイトへのリンクを伴って表示される見込みです。加えて「Request a Quote(見積もり依頼)」機能を通じて、ChatGPT上から地域のサービス事業者へ直接見積もりを頼めるようになるとされています。
契約金額などの詳細条件は公開されていません。なお、YelpはApple Mapsなどへも同種のデータ提供を行っており、開始時期や提供地域については元記事に明記がありませんでした。
編集部の見方:ローカル情報はこれまでChatGPTが苦手としてきた分野であり、外部の専門データで穴を埋める動きと捉えられます。展開はまず米国中心になると推測しますが、AI検索でローカルに露出するための施策が「Googleビジネスプロフィールの最適化」にとどまらず「主要レビューサイトでの評判づくり」へ広がる流れは、日本でも中期的には無視できなくなりそうです。
③ Alphabetの4-6月期:売上は24%増、一方でフリーキャッシュフローはマイナスに

Alphabetが発表した2026年4-6月期の決算では、総売上高が1,198億ドルで前年同期比24%の増加でした。セグメント別では、検索関連が633億ドル、Google Cloudが248億ドル、YouTube広告が111億ドルです。
他方で設備投資(CapEx)は449億ドルに達し、前年同期の約224億ドルからほぼ倍増しました。その結果、フリーキャッシュフローはマイナス58.5億ドルとなっています。CFOの説明によれば、四半期の支出はおよそ60%がサーバー、およそ40%がデータセンター向けで、2026年通年の設備投資は1,800億〜1,900億ドルの見通しとのことです。
編集部の見方:「AI検索が広がると検索広告は縮む」という見立てに対して、検索収益の成長が続いているという事実は一つの反証になっています。同時に、この規模のインフラ投資はAI OverviewsやAI Modeを一段と拡大させる前提だと読むこともできます(あくまで仮説です)。検索のAI化は、潤沢な投資を背景に今後も進むとみておくのが自然でしょう。
④ 「チャンネルの収益化が止まり得るコンテンツ」をYouTubeが3分類で解説

YouTubeが公式シリーズ「Creator Insider」の動画内で、収益化の停止につながり得るコンテンツを3つのタイプに分けて説明しました。具体的には、(1)AI生成動画の大量投稿や画像スライドショーのようなテンプレート的な反復・量産コンテンツ、(2)AI利用の有無にかかわらず、感情操作やショックを狙った不快なコンテンツ、(3)健康・法律・金融・政治といったセンシティブな話題をAIのキャラクターに語らせるコンテンツ、の3種類です。
YouTubeは「基礎となるポリシー自体に変更はない」と述べており、今回の説明は既存ルールの明確化という位置づけです。該当した動画は収益化の対象外になりますが、プラットフォームから削除する必要はなく、公開したままにできます。
編集部の見方:ポイントは「ルールの変更ではなく明確化」だと強調されている点です。AIを使うこと自体が問題視されているのではなく、独自性を欠いた量産と、機微なテーマの無責任な扱いが線引きになっています。動画SEOにおいても、AIはあくまで補助として使い、人の視点と検証を必ず挟む運用が安全だと考えられます。
本日のまとめ
規制(EUの制裁金)、提携(OpenAI×Yelp)、資金(Alphabetの投資拡大)、ルール整理(YouTubeの収益化基準)と、検索を取り巻く環境が複数の方向から同時に動いた一日でした。特にEUの是正期限は60日と短く、検索結果の表示がどう変わるかは要注目です。引き続き、確かな情報を冷静にお届けします。
一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。
