EEA圏では効かなくなる手動対策 — サイト評判ポリシーの地域分岐ほか、2026年8月31日のSEOニュース6本
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月曜の朝にお届けします。今回は6本です。中心にあるのは、Googleが「サイト評判の不正利用(site reputation abuse)」ポリシーによる手動対策を、欧州経済領域(EEA)の検索利用者には反映しなくなるという発表でしょう。このほか、8月のスパムアップデートの変動データ、AI Overviewsの自動展開テスト、faviconの形式一覧が公式ドキュメントに書き下された件、Google側で起きた短時間の表示トラブル、そしてWordPressプラグインに向けられた指摘を順に見ていきます。
① 手動対策の効果が、EEAの検索利用者には届かなくなる

2026年8月28日、GoogleはSearch Central ブログに「Update to the Site Reputation Policy」を掲載しました。8月30日を境に、サイト評判の不正利用ポリシーによる手動対策の効果を、EEA(欧州経済領域)内の検索利用者に対しては反映しない、という内容です。背景には欧州委員会からの指示があると報じられています。
注目すべきは、どこまでが対象なのかという線引きです。報道によれば、対象サイトへの手動対策の通知自体はこれまでと変わらずSearch Consoleに届きます。EEA外の検索結果でも従来どおり効果は残ります。無効になるのは、EEA内から検索した利用者に対してのみ、ということになります。加えて、手動対策とは別枠で、該当部分を独立したものとして評価するアルゴリズム側の扱いは、EEA内でも継続するとされています。
Googleは「欧州の利用者もパラサイトSEOのような手法に不満を持っていないわけではなく、当社は自社のサイト評判ポリシーを支持している」という趣旨のコメントを出しました。考え方を変えたわけではなく、規制への対応という位置づけなのでしょう。
検索した人の所在地によってスパム対策の適用が分かれる例は、確認できる範囲では今回が最初です。欧州向けと欧州外向けで順位の見え方が変わりうるため、EEAを主要市場に含むサイトであれば、地域ごとにデータを分けて眺めておくと変化に気づきやすくなります。ただし実際にどれほど順位が動くのかを示すデータはまだ出ておらず、影響の大きさは今後の観測を待つことになります。
出典:Google Search Central Blog/Search Engine Land/Search Engine Roundtable
② 8月のスパムアップデート、平常時より順位の入れ替わりが目立ったという分析

8月18日から21日まで(所要2日16時間)展開された「August 2026 spam update」について、SE Rankingが分析データを公開しました。米国Googleの10万キーワード・20業種が対象で、アップデート期間にあたる8月17〜22日と、確認されたアップデートのなかった7月26〜31日とを突き合わせた形です。
数字を並べておきます。上位10位にいたURLが100位圏外へ落ちた割合は16.71%。比較期間は9.2%だったので、およそ1.8倍(+82%)にあたります。反対の動きも見られ、アップデート後に上位3位へ入ったURLのうち、それ以前は20位圏外だったものの割合が12%増えました。業種別に見ると、変動幅が最も大きかったのはファッション・美容の85.55%、最も小さかったのは不動産の74.64%です。
アナウンス上は通常のスパムアップデートでしたが、順位の入れ替わり自体は平常時を上回っていた、と読み取れそうです。もっとも同社は、どんなサイトや手法が集中的に影響を受けたのかまでは分析していないとされ、原因ははっきりしていません。自サイトが動いた場合も、理由を決めつけずに、変動したページを1つずつ確認するところから入るのが安全でしょう。
③ ボタンを押さなくてもAI OverviewsがAI Modeへ開くテスト

8月28日、「Show more(もっと見る)」ボタンを押していないのにAI Overviewsが自動で展開し、AI Modeの回答と「Ask anything」入力欄が最初から開いている状態が観測されました。
Googleの広報担当は「一部のクエリでは、当社のシステムが最も役に立つと判断したトピックについて、AI Overviewsが動的に展開されることがあります」とコメントしています。GoogleのRobby Stein氏は、展開されるのは関連するトピックに限られ、利用者がすでに下方向へスクロールを始めているときには展開しない、と説明しています。
現時点ではテストの観測であって、正式な仕様変更として告知されたものではありません。とはいえ自動展開が広がった場合、その分だけ通常の検索結果は画面の下へ押しやられます。AI Overviewsが出やすい情報収集系のクエリでは、Search Consoleでクリック率の推移を定点観測しておくと、変化を早めにつかめます。
④ faviconのサポート形式が公式ドキュメントに明記される(SVGは対象外)

8月28日付で、Googleは検索結果のfaviconに関する開発者向けドキュメントを更新し、対応するファイル形式を直接書き下しました。挙がっているのはBMP、GIF、ICO、PNG、JPEG、PPM、TIFFの7形式で、SVGはこの一覧に入っていません。
Googleによれば、サポート形式そのものが変わったわけではないとのことです。これまで外部の参照先に記述を委ねていたところ、その参照先が時間とともに変化し、実際にどの形式が使えるのか曖昧になっていたため、自ら明記することにした、という説明です。
同じページには、最小8×8ピクセル、48×48ピクセルより大きいサイズが推奨、縦横比は1:1、faviconのURLは頻繁に変更しないこと、GooglebotとGooglebot-Imageの両方がクロールできること、といった条件も併記されています。SVGだけを指定しているサイトであれば、上記の形式でも用意しておくほうが無難です。
出典:Google 検索セントラル ドキュメント/Search Engine Roundtable
⑤ 公開直後の記事が検索結果に出ない事象 — 8月28日朝に約1時間20分

米国東部時間8月28日、午前6時15分ごろから7時35分ごろにかけて、公開したばかりの新しい記事がGoogle検索の結果に現れないという報告が相次ぎました。Wall Street Journal、New York Times、CNNといった大手媒体のコンテンツも含まれていたとされます。
奇妙だったのは、Search ConsoleのURL検査ツールでは「インデックスに登録済み」と表示されるにもかかわらず、実際に検索すると出てこなかった点です。ここから、インデックス側ではなく配信(serving)側の問題ではないかという見方が出ていますが、これは観測にもとづく推測にとどまります。Googleのステータスダッシュボードは事象の最中も正常表示のままで、公式な確認はありません。7時35分ごろから順次、表示は戻っていきました。
新着記事の露出が急に落ちると、まず自サイトの設定を疑いたくなりますが、このようにGoogle側の一時的な事象という可能性もあります。数十分から数時間の単位で戻るかどうかを見極めてから、対応を判断するのが現実的です。
⑥ Rank Mathへの指摘 — アプリケーションパスワードの一覧を確認しておく

WordPressプラグイン「Rank Math」をめぐり、開発者のSybre Waaijer氏が、利用者の明示的な同意なく管理者権限相当のアクセスが作られる仕組みがあると指摘しました。指摘によれば、無料のRank Mathアカウントに接続した状態で「Help & Support」を開くと、プラグインが操作した利用者の権限を引き継いだWordPressのアプリケーションパスワードを自動生成し、外部(group.oneのサーバー)へ送信するとのことです。当該プラグインは400万サイト以上で使われているとされます。
これは第三者からの指摘であり、本稿の執筆時点で筆者が確認できた範囲では、Rank Math側の公式な見解は見当たりませんでした。事実関係が確定したものとしては扱えません。
一方で、確認と取り消しの手順そのものは数分で済み、実施しても副作用の小さい作業です。心当たりがあれば、WordPress管理画面の「ユーザー → プロフィール → アプリケーションパスワード」を開き、「WAP – Rank Math Support Agent」という名前の項目があれば削除する、という対応が案内されています。プラグインの種類を問わず、アプリケーションパスワードの一覧を定期的に棚卸しする習慣も有効です。
まとめ
今週の軸になるのは、①の地域によるスパム対策の適用分岐でしょう。検索結果が利用者の所在地によって別のものになる範囲が広がったという意味で、構造的な変化と言えそうです。EEAを含む市場を持つサイトは、地域別にデータを分けて見る準備をしておくとよいでしょう。
②のスパムアップデートのデータは、原因が特定されていない以上、急いで大きな施策を打つ材料にはなりません。「入れ替わりは平常時より大きかった」という事実の確認までにとどめ、動いたページを個別に見るところから始めるのが確実です。④と⑥は、どちらも短時間で片づく確認作業です。手が空いたときに済ませておきましょう。
※本記事は各出典の公開情報にもとづく要約です。仕様やテストの挙動は変わる可能性があるため、実務での判断は必ず一次情報をご確認ください。
一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。
