生成AIレポートとAI表示コントロールが全世界解禁へ|2026年9月2日 海外SEOまとめ
目次
2026年9月2日時点で確認できた海外SEOの動きを、5本にまとめました。
最大の話題は、Search Console に用意された生成AI関連の2機能が、ようやく全世界のサイトで使えるようになったことです。このほか、EEA向けの検索データ提供プログラム、SERPに現れる人間確認テスト、Discover の短時間障害、テクニカル監査の実務ノウハウを取り上げます。
① 生成AIパフォーマンスレポートとAIコントロール、全サイトで利用可能に

Google は公式ブログに2026年8月31日付の追記を行い、Search Console の「Search generative AI performance report(生成AIパフォーマンスレポート)」と「Search generative AI control(生成AI表示のコントロール)」が全世界のすべてのサイトへ行き渡ったことを明らかにしました。2026年6月に一部地域で始まった段階的な展開が、これで完了したことになります。
レポート側で分かるのは、自サイトのURLが AI Overviews や AI Mode といった生成AI機能に出た インプレッション数 と、表示されたページ・国・デバイスです。Search と Discover でそれぞれ別のレポートが用意されています。ただし、クリック数とクエリのデータは含まれません。従来のパフォーマンスレポートと同じ感覚で見ると指標が足りないため、そこは把握しておきたいところです。
一方のコントロールは、自サイトのコンテンツを生成AI機能に「出さない/回答の根拠に使わせない」ためのトグルにあたります。対象となるのは AI Overviews、AI Mode、そして Discover 内の AI Overviews です。Google は、オプトアウトしたサイトは生成AI機能からのトラフィックとインプレッションを受け取らなくなること、またこの設定はこれら生成AI機能の外側にある通常の検索結果のランキングシグナルとしては使われないことを説明しています。
順序としては、まずレポートを開いて生成AI経由の露出が自サイトにどれくらいあるのかを見るところからで十分ではないかと考えます。オプトアウトは露出そのものを手放す片道の判断になりますので、数字を確認したうえで検討するのが安全でしょう。
出典:Google公式ブログ / Search Engine Roundtable
② EEAの検索データ提供、応募条件とスケジュールが明らかに

EUのデジタル市場法(DMA)を受けて、Google が欧州経済領域(EEA)における Google 検索の ランキング・クエリ・クリック・ビューのデータ を、条件を満たす検索エンジン事業者へ提供するプログラムの詳細を公開しました。2026年7月16日にEU委員会が採択した措置に対応する動きです。
利用できるのは、次の条件をすべて満たす事業者です。EEAのユーザー向けに検索エンジンを運営していること、直近1年間でEU域内の月間平均ユーザーが5万以上であること、EU域内で2年以上運営しているか、もしくは5,000万ユーロ以上の資本を調達していること。なお、EEA域外の国家主体の支配下にある場合や、EUの制裁対象である場合は対象から外れます。
スケジュールは2段階です。ライセンス契約の提供が2026年9月17日に始まり、データサンプルの利用開始は2026年11月16日とされています。サンプルとして案内されているのは、無料の1,000行、最大1,000万クエリの合成データセット、有償の5%サンプルの3種類です。
サイト運営者が直接触れるデータではありません。とはいえ、競合の検索エンジンやAIチャットボットが Google の実データにアクセスできるようになるわけですから、中期的には検索市場の構図に効いてくる話題だと見ています。
出典:Google 検索セントラル ヘルプ / Search Engine Journal
③ 「リクエストを確認しています」画面を検索結果の手前に置くテスト

検索結果を出す前に人間かどうかを確かめる画面を挟む——そんなテストを Google が実施している、という報告が上がりました。最初は「Continue(続行)」ボタンがグレーアウトしていて、確認が終わると青く変わって先へ進める、という挙動だそうです。今回報告されたパターンでは、ログインまでは求められていません。
報告者は Glenn Gabe 氏で、2026年9月初旬に X 上で共有されました。複数の言語で確認されているとのことです。なお、Google からの公式な説明は出ていません。
Google はこれまでも、ログイン要求、従来型のCAPTCHA、新しい「goto」形式のリダイレクトなど、複数の手法を並行して試してきました。この流れを踏まえて 自動収集(スクレイピング)対策の一環ではないか という見方が出ていますが、これは観測にもとづく仮説であって、確定した情報ではありません。
影響が出うるのは、順位計測ツールやスクレイピングに頼った計測です。データが急に欠けたときに「順位が落ちた」と読み違えてしまわないよう、取得元そのものの状態も併せて確認しておくと安全でしょう。
④ 9月1日、Google Discoverが約1時間読み込めない状態に

2026年9月1日、Google Discover で記事が読み込めない、あるいは読み込みが極端に遅いという不具合が起きました。始まったのは米国東部時間の午前6時ごろで、およそ1時間続いたと報告されています。フランスをはじめ複数の国からも同様の報告が寄せられており、影響は各国に及んだようです。
回復がおおむね確認されたのは、同日の米国東部時間7時40分ごろでした。Google からの公式なアナウンスはありません。
Discover を主要な流入元にしているメディアでは、この時間帯だけセッションが落ち込んでいるかもしれません。9月1日のデータに不自然な谷が見つかった場合は、施策やアルゴリズムの影響と結論づける前に、この障害の時間帯と重なっていないかを確かめておくとよさそうです。
⑤ 実務Tips:テクニカル監査の提案を誤らせる10の落とし穴

Search Engine Land に、テクニカルSEO監査でありがちな失敗をまとめた記事が掲載されました。現場でそのまま使える観点が多かったので、要点を紹介します。
はじめにデータの取り方です。JavaScript実行を有効にせずにクロールする と、動的に挿入される要素を取りこぼします。URLの選び方についても、ランダムに抽出するのではなく、テンプレート単位(商品・カテゴリ・記事など)でサンプリングする ことが勧められています。報告する価値のある技術的問題はテンプレート由来のものが多く、同じ形で数千ページに効いてくるからです。
続いて検証です。クローラーの分類をそのまま事実として扱わないこと——実際にページを開く、ステータスコードを確認する、といった裏取りが求められます。加えて、開発チームに渡す内容は最低2つの情報源で確認すること。Search Console のインデックス作成レポート、サーバーログ、アナリティクスを突き合わせる、という考え方です。
最後は伝え方です。重複URLの一覧を並べて終わりにせず、ファセットナビゲーションやセッションIDといった 原因 まで特定すること。優先順位づけはツールの深刻度スコアに任せず、売上を生むテンプレートかどうかといった事業インパクトで決めること。そして実装方法を指定するのではなく、達成したい結果と制約を示して実装は開発側に委ねること。この3点が提案されています。
本日は以上です。SEOタイムズでは、Google公式情報・海外SEO・特許情報から、実務に関係しそうな話題を毎日お届けしています。
一般社団法人 全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。SEO・コンテンツマーケティングの実務に従事し、検索アルゴリズムの動向・Google公式情報・特許情報の読解をもとに、企業サイトの検索最適化を支援。「SEOニュースブログ」では、一次情報を基準に、断定せず証拠ベースで検索の最前線を読み解く記事を執筆しています。
